丸亀町再開発事業は、「人が住み、人が集うまち」を目指して丸亀町商店街振興組合が構想から約20年かけて取り組んできた事業です。また、丸亀町商店街が「出会い」「賑わい」「おもてなし」にあふれ、買い物だけでなく、暮らしの様々なシーンで楽しめる商店街になることを目指しています。さらに、高齢化社会にも対応できる、やさしく住みよい町に変わろうとしています。
本再開発事業では、全長470mの商店街をA~Gの7つの「街区」にゾーニングし、商店街の一部だけではなく、すべての街区を対象とした再開発を段階的に行っています。街区ごとに特徴を持たせながら、公園や飲食店、生活雑貨店や福祉サービスなど、これまで丸亀町商店街に不足していた機能を段階的に補っていく計画です。中でもA街区は、都市再生特別地区に指定され、民間都市再生事業の認定を受けた第一種市街地再開発事業であり、かつ、特定民間中心市街地活性化事業の認定も受けており、丸亀町商店街全体を再生する第一歩となりました。
この再開発の特徴は、地元住民が中心となって第3セクターのまちづくり会社を立ち上げ、まちづくり会社が商店街全体をマネージメントしていくことです。具体的には、まちづくり会社がデベロッパーとなって保留床を取得し、再開発ビルを経営し、再開発ビル以外でも、街に必要な機能をコミュニティビジネスとして行います。つまり、商店街全体をひとつのショッピングセンターと見立て、業種の偏りを是正し、商店街全体のテナントミックス(業種混合支援)を行うことで商店や施設を適材適所に配置しようとしています。このように、まちづくり会社は、タウンマネージメントと言われる様々な機能を果たすことで、町全体の活性化を推進する、まちづくりのエンジンとしての役割を担っていきます。
高松丸亀町まちづくり株式会社は行政からの出資比率を5%とした民間主導型の第3セクターです。イニシャルコストについては行政の支援を一部受けていますが、ランニングコストは自主財源で賄うよう収支計画を立てています。利益については地元へ還元することを目的としており、従来の企業デベロッパーと異なります。このような民間主導型の市街地再開発は、全国でも初の試みです。「みんなの街を、街のみんなでつくる」これが、この再開発事業の合言葉です。