再開発について

再開発のコンセプト

人間中心の再開発。ヒューマンな町を目指す。

巨大で人工的な都市開発は、人をかえって疲れさせます。
人にやさしく、持続可能なコミュニティ。
私たちは、そんなヒューマンな町を目指します。

町のイメージを共有し、美しい街並みをつくる。

美しい街並みは大規模な開発によってではなく、たくさんの建物が協調し合ってできあがるものです。そのためには、個々の住民が街並みについて共通のイメージを持ち、まちづくりの主体としての能力を発揮することが不可欠となります。
丸亀町商店街では、商店街全体で「デザインコード(街並み形成のための自主規制ルール)」に合意し、それを実現する形で各街区の地区計画を進め、高松の中心街にふさわしい美しい街並みを創出しています。

人が集う、にぎわいの広場を創出する。

都市には、人々がお互いに触れ合うことのできるにぎわいが欠かせません。そのためには、人々が集まり出会う場となる「中心」が不可欠です。アメリカのダウンタウンやヨーロッパの都市の広場のように、都市計画の観点からも「中心=広場」は街の機能として非常に重要です。日本には、ヨーロッパに見られるような広場はなく、商店街が単なる買い物の場を越えた暮らしの広場としての役割を果たしてきました。本市街地再開発では、高松市の中心街である丸亀町商店街のドームを中心に、市民の誇りとなり、外からの人を惹きつける「人が集う広場」を創出しています。

都心居住を促進。暮らしに近い機能を充実させる。

バブル期の地価の高騰のため商店主は町に住み続けることが困難となり、居住人口が100人を切った丸亀町は、「人が住める町」に生まれ変わろうとしています。業種の偏りを是正し、飲食店や日用雑貨店、生鮮市場、診療所など暮らしを支える機能を充実させ、買い物やサービスの利用をこの町で全て済ませることができるような環境を整えます。また、街区の上部を居住スペースにすることを、自主規制ルールのひとつとしています。居住人口の増加は、町に暮らしを取り戻し、活気あるまちづくりを促進します。

「楽しく、美しく、豊かな」ライフスタイルの創出。

本再開発事業は、単なる商店街のリニューアルではなく、質の高いライフスタイルを提案できる町を目指します。食に関しては、地域の食材開発に積極的に取り組むレベルの高いレストランの導入や有機系のこだわり食材の市場運営など、地域の食文化を育むステージを用意します。また、いきいきとした地域社会を維持・強化するため、コミュニティを活性化させる施設をレベルアップさせ、市民活動を支える場所や機能を提供します。さらに、地域製造業者と連携したチャレンジショップや、若手起業家が活躍できるステージの創出にも取り組んでいます。

コンパクトシティを目指して。

本市街地再開発事業は、これからの日本にふさわしい再開発のあり方だと私たちは考えます。 商店街は小企業が集まって形成され、そこに暮らす人々のために商品やサービスを提供してきました。 大企業の利点である大規模流通や生産の仕組みは持てませんが、ひとつの町として各店が助け合ってきた伝統があります。小企業が集積することで、多様な機能を創出し、それが有効に働いてきました。

丸亀町商店街では、そのような伝統をベースに、その仕組みを大きくブラッシュアップして、今の時代に展開しようとしています。 小さくて住みやすい町。 高齢者にとって、女性や子供にとって、就業・文化活動・買い物・病院通いなどにも便利な町。 そんな町になれば、本当に豊かな生活が実現できると思います。 そんなコンパクトシティの実現を目指して、町の住民が自ら動く。 それが、丸亀町商店街の伝統であり、スタイルなのです。